製作期間:約3カ月
高校生活の集大成となる卒業制作。クラス一体となりひとつのテーマを決定し、いくつかの班に分かれて作業を進めた。
「なんやかんやかんがえ展」
この展示のテーマは「生きる」
これを軸に、多様性や環境問題、色、形などについて見る人に考えてもらえるような展示づくりをした。
登場する人物の顔はあえてデフォルメされた同じようなデザインとした。これはより多様性の要素を目立たせるためである。
私は「色班」に所属した。
班のコンセプトを「もしもの世界を通してデザインの可能性を一緒に見つける」とし、カラーの世界とモノクロの世界を並べることによって、色の大切さとモノクロの世界でどうデザインが変わるか、どんなデザインが生まれるのかというのを考え、形にして視覚で訴えた。
この展示はとある女の子の部屋をイメージしている。
カラーの世界とモノクロの世界が向き合う形になっていて、モノクロの世界のほうでは、標識や信号のデザインが変わっていたり、使う道具などにもモノクロだからこそのデザインや工夫が施されている。
完成までの流れ
最初はクラス全体で共通のテーマを決めて、グループを作った後にそのグループごとにコンセプトを考えた。そのコンセプトに基づきブースの構成や材料購入などすべて自分たちの力で行い、時々作業報告をしつつ進めていった。グループごとに、ましてや一人ひとりテーマやコンセプトの認識のずれがないかを慎重に確認して、何かずれが生じた場合はすぐさま話し合いをして、完成時に極力誰かが不満を持つことのないようにした。
私はこの卒業制作でクラス全体の話し合いの進行役と、班のリーダーを務めたが、大人数でしかもそれぞれが強い意志を持って話し合いに挑んでいるわけなので、なかなか意見がまとまらなかったり、衝突が何度も起きた。だが、最終的にできたこの展示を見ると、この気の遠くなるような話し合いや毎日遅くまで居残って続けた作業すべてに意味があったんだと実感して、今までにないやりがいを感じた。
ほかのブース
多様性を訴えるブース。それぞれの特性を持った人が手をつないていろいろなことを考えている。
同じ言葉でも人によって受け取り方が違う場合がある。会話のすれ違いを人型パネルの表と裏で表現。
このブースではエレベーターのボタンと自販機の新しいデザインを提案。いろんな身体的特徴を持った人にとって使いやすい形やデザインを提供した。
このブースでは環境問題に問いかけた巨大な作品を制作した。
3Rの考えを取り入れたアイデアを生み出し、未来の街を想像したもの。現代に蔓延る環境問題をどうすれば解決できるのかを見る人に考えさせる迫力のある作品となった。
この展示を通して、見る人だけではなく作った自分たちもテーマについて深く考えることができた。